食品流通が情報と密接に関係があると聞いたけど、それってどういうことなのか知りたい。情報戦略が食品流通にもあるのならとても興味があり、知りたい。
こういった疑問に答えます。
もくじ
1. 食品流通に足りていないのは間違いなく情報です。【解説します】
2. 食品流通こそ情報が不足すると手間ばかりがかかり、効率化が図れないことが分かります。【解説します】
3. 【シリーズ トライする食品流通】 ”Web販売で勝負 松阪牛に匹敵?の牛肉”
この記事を書いている私は、当時売り上げ規模一兆円を超える食品流通の商社に13年間勤めていました。冷凍食品営業職と常温加工食品物流管理(バイヤー兼)で在庫金額2億円の倉庫を管理しており、食品流通に関しては一通りの業務を経験してきました。
経験を活かし、興味がある皆さんに食品流通について解説します。
1. 食品流通に足りていないのは間違いなく情報です。【解説します】
結論ですが、日本で食品の流通段階で不足しているのは商品の情報です。逆を申せば、この部分をしっかりさせる食品流通システムを確立させる企業が出てきたら、消費者の信頼は絶大で、業績は延びることはあっても落ちることはないと思います。
①誰が作ったか
②いつ収穫・収漁したのか
③いつからいつ頃まで食べごろか?
④出荷元はどこか?また送付先は?
⑤最終消費者への販売責任者は誰なのか?(店舗売り場)
⑥箱の重量
⑦経由地情報
まー、数え上げたらキリがなくなるので、大事な情報だけにしておきますが、こうした商品情報が流通の段階で表示されないノーマークの商品・企業が多いです。
・これらの情報は最終消費者が買い上げる売り場でも確認できなければ意味がないと思っています。頑張って表示している小売店もあります。消費者はその情報の掲示についてもっと評価すべきだと思います。
・加工食品はこの点、生産者が生産企業に置き換わってはいますが情報は、ほぼ網羅されています。加工食品メーカが過去に起こした食品での問題は、食材ではなく、生産メーカーの企業名が大きく取り上げられるからです。
・特に魚介類ですが、食中毒を起こすような食材が市場(イチバ)で出回ったら大変です。肉についてもしかり。温度の管理もすべて食品流通における情報管理になります。温度計がついていないトラックで運行しているなんて、言語道断です。
・口に入るものであることを全く考えていない人たちが食品流通に携わっていることもあります。
よくある質問:「情報を食品に取り込んで、何か いいことがありますか?」
こういった質問があるかと思います。
・以下の商品には、その食品の入った箱の表面に色々な情報を直接印刷していたり、流通の段階で刻々と変化し付加されていく情報はシール・ステッカーなどによって処理されていきます。
・アメリカ・オーストラリア産等海外産牛肉
・日本国産和牛
・海外産野菜 等
・これは、牛肉でいったらどこの部位の肉か?とか、どういった港、もしくは空港を経由しては来たのか?個体識別番号、また、日本での輸入代理店などの名称です。
・同じことで海外からの野菜も同じような内容が一目でわかるような表示がされています。
・日本原産のものでも特に和牛は、産地、生産者指名、解体日付、オス・メス区別、個体識別番号、カットグラム数、などが細かく記載されたものが箱に貼ってあって、同じステッカーが中に入ってるそれぞれの真空パックされた食材一つ一つに貼ってあります。
・万が一、何か問題が発生した際に、個体識別番号から逆順に流通経路を追いかけ、問題が発生したもの、場所、原因が特定されるので、二次被害が最小に抑えられるといった可能性が高くなります。
・口に入り、人の生き死に直結する食品なだけに、本来、これくらいの厳重な管理が必要になります。
・聞きなれない言葉ですが、こういった産地・生産者などの情報を追いかける仕組みを「トレース・アビリティー」というそうです。このトレース・アビリティーこそが情報シール・ベタベタの本来の食品流通そのものなのです。消費者に食の安全を信頼してもらうためです。
2. 食品流通こそ情報が不足すると手間ばかりが掛かり、効率化が計れないことが分かります。【解説します】
結果をいうと、箱に貼られたシール、印刷から流通段階のベルトコンペアーなどについているセンサーが読みとる情報は、すべてを物語ります。
・トラックの荷台にはセンサ付きの冷蔵・冷凍機能がついていて、庫内の温度がどう変化しているのかわかります。
・温度変化に不都合な状態があれば、コンピュータが割り出してすぐに解決しようとします。もちろん「不良の商品」が店頭に並んで売れる前に製品棚から外され、誤って消費者の口に運ばれることがないわけです。
・製品にバーコードがついていなかったら、製品が同じでもどの時期に製造され、お店に送られたのか?そして問題が発生した場合、商品の回収はどの店から、もしくはどの店の分だけ回収すればいいか?などの情報が得られず、正味、一店だけ引き上げれば問題になることもなかったのに全店舗分回収に回らなくてはいけないといった悲惨な仕事を残業してやらないといけなくなります。
・さらに、商品の入った箱が、センターに「いつ入庫したのか?」「どこの積み込み口に移動させるのか?」「いつ、トラックに搭載されたか?」「何時にトラックから降ろされたのか?」「そして、納品は完了したのか?」などの情報が、バーコードで分かります。バーコードの情報の後ろに、コンピューター内に無数の情報が隠れていて、倉庫の作業の正確性と流れを監視しています。
・「黒猫大和の卓球瓶」がもうかなり前から使っている方法で、追跡調査という手法ですが荷物がどこにあるのか?をPC画面上で一発で確認できる時代になっています。
30年前なら、黒猫に電話でお願いすると殺されたかもしれません。(冗談です、もちろん)
3.【シリーズ トライする食品流通】”Web販売で勝負 松阪牛に匹敵?の牛肉”
※食品流通の流れの中で、王道とは真っ向から勝負するように特殊な流通をあえてチャレンジする開拓者企業を取り上げていきます。
・今回の企業は、鮮度に絶対の自信があるのか、商品をあえてWebで販売するお肉屋さんの紹介です。成功すればリピーター間違いなしですが、失敗すれば準備期間を無駄にする取り組みです。
・過去に松坂牛で有名な三重の精肉店で買い物をし、店頭で包んでもらったものと、実家に宅配で送ったものの品を購入後に確認してしまうという事故のようなことがありました。批判になるかもしれないので、これ以上、この場でのコメントは差し控えますが、消費者として高級牛肉の通販購入の難しさは心得ています。
・ただ、今回のWeb販売店の取り組みを見守っていきます。コロナ禍であり、電子通貨の発行を近い未来に見出す日本政府方針に、インタネットの商売の可能性を是非とも見守りたいと思います。
・金額はかなりいい値段です。購入者多数が満足するのか?
こちらから紹介します。