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食品流通

食品流通業は簡単に言うと食品を分けること、運ぶこと【解説します】

投稿日:2020年10月9日 更新日:

食品流通業に興味があり、就職先候補にしたいと思うけど、ぶっちゃけイメージがわかない。食品流通業って具体的に何なのか知りたい。

こういった疑問に答えます。

もくじ

1. 食品流通業とは簡単に言うと、食品を分けること、運ぶことです。

2. 食品は仕分けが大変です。【解説します】

3.【シリーズ  トライする食品流通】”手に入りにくい肉でBBQを盛り上げろ” だって!

この記事を書いている私は、当時売り上げ規模一兆円を超える食品流通の商社に13年間勤めていました。冷凍食品営業職と常温加工食品物流管理(バイヤー兼)で在庫金額2億円の倉庫を管理しており、食品流通に関しては一通りの業務を経験してきました。

経験を活かし、興味がある皆さんに食品流通について解説します。

1. 食品流通業とは簡単に言うと、食品を分けること、運ぶことです。

結論から申します。倉庫の中で、いかにスピーディーに注文をもらった食品を一か所に集め、いかにスピーディーにそれを購入者に破損させず、商品を間違えずに、トラックで届けるか?の障害物競走のようなものです。

・ただ、この競技はクライアントにいかに楽をしてもらうかも競います。発注から納品までは短ければ短いほどいいですし、納品される商品はどこから買っても同じものなので、なるべく安い方がいいわけです。

・何よりも、「鮮度」と言って、たとえ缶詰だとしても、A社から買うのとB社から買うのと同じ値段だったら、賞味期限が長い商品を届けてくれる方から買いたいわけです、つまりメーカーから仕入れるのが上手い卸売から買うのがいいわけです。

・「在庫を抱える」のは、流通業に限らずどんな業態でも敬遠されるようになりました。当たりまえのことですが、売れない在庫=“流動資産(特に資金)の塩漬け“が多くなるということになりますし、そもそも最悪なのは、食品の在庫は”賞味期限切れ“といった爆弾を常に抱えているのと同じです。メーカーの製造から爆弾が爆発する日は刻々と時を刻むので、新鮮な製品の仕入れと即座の販売は流通のどの段階でもとても大切な事なのです。

・トラックで商品を運ぶのも、競技の一つみたいなものです。きちんと運ぶ為の運搬用のカゴ、組み立て式の頑丈なプラの箱などできちんと荷物を運ぶ運送会社もあれば、ダンボール詰めの商品どうしを積み重ね、荷台の中でグラグラさせながら運んでいる運送会社もあります。

・後者については、目的地に到着して荷台の扉を開けてみるまで中身がどうなっているのかわかりませんし、何にもなければ、結構ラッキーだと思わざるをえません。でも、そんな運送業者は未だ沢山存在するのです。

・世の中に、トラックはいっぱい走っていて、荷物を運んでいる姿はすべて同じに見えますが、トラックがスケスケの透明板で覆われていたら、車のすぐ後ろは怖くて走れないようなトラックが山ほど走っているのです。

2. 食品は仕分けが大変です。

結論からいうと、商品は同じカップラーメンでも、「ミニ」もあれば「大盛り」もあり、サイズが違えばもちろん違う商品となります。倉庫も配送車もシステム化していないと業務が回らない現代です。

・お客さんの注文ごとに、メーカーから入荷した商品の段ボールから取り出し、注文された数だけお届け用の箱に分けていきます。

・スーパーなどの棚には例えばキューピーのマヨネーズでも450g、700g、1kgと量によってチューブ型でも3個以上も種類があり、カロリーハーフなども含めると似たような商品はめっちゃあります。このサイズの違いなどをきちんとわかるように分けることができるために、バーコードを商品のパッケージなどに印刷して表示しています。JANコードと呼ばれるものです。日本国内製品は49―――――と49から始まる13桁のコードが印刷されています。

これが最も大事なことで、この印刷された番号(コード)で商品を区別できています。

この「商品をコードで区別する」という機械が得意とする作業が、これまで解説してきた間違えずに商品を売り場まで運ぶ「障害物競走」に勝つための秘策と言えます。

・トラックに積み込むときも、「コード」で正確に選別され、箱につめられた商品をデジタル端末で読み取って「はい!積み込みました!」と確認していきます。

・トラックに積み込むには、自動発行された箱用のシールを貼り、そのシールにはバーコードが印刷されています。

・そのバーコードをコンピューターで読み取ると箱の中に何が入っているのか確認することができ、さらに、箱の中身とデーターは人間がリストを見て集めて来た商品群とは比べ物にならないくらい誤差がない精度で箱詰めされています。

・その箱の中身とリストのデーターの精度も、バーコードなどを使って機械で検品していきます。人間が目でみて確認して集荷していくより誤差は極限まで少なくなっています。

「体験談 : 食品卸(商社)の仕事は毎日コンピューターとのにらめっこです。」

食品を車に積んで、運んだりするのが卸売の仕事のように感じる人が多いようですが、それとは裏腹に毎日PCをにらんで仕事をしていました。

・バイイングの仕事はただひたすらPCにデーターを入力していくだけです。オーダーの受け取り手(メーカー)のレベルに合わせてオンライン、FAXのどちらかで注文するのですが、インプットしたデーターからシステムコンピューターが時間で勝手にオーダーしてくれます。

・かえって、メーカーさんのレベルが様々でしたが、オンラインでデーターを受け取ってもらった方がその後の売買代金のやり取りでも省力化(人件をかけずにできてしまうこと)できるので、差別優位性が開いていってしまいます。大手メーカーはシステム化し、どんどん効率を上げていきます。

・もちろん、大きな小売業に商品を売るので、一日に何万件もの取引をするため、伝票という紙のやり取りは無くなってます。データーで注文をもらい、注文データーで集品をし、納品する。不足があればデーターで報告し、その分を差し引いて請求書(データ)を作成し、請求するのです。

・これをいちいち目検で確認すると、3日も4日もかかってしまいます。「99%の仕事をするのに1%づつ99コの仕事を重ねるのではなく、間違いのほとんどない仕事をしていけば100%のうちから間違いのあった1%を差し引いて99%の答えを出す」方が仕事が何倍も速くなるので、システム化は食品流通業にとって、なくてはならないことなのです。

3. 【シリーズ  トライする食品流通】”手に入りにくい肉でBBQを盛り上げろ”だって!

※食品流通の流れの中で、王道とは真っ向から勝負する流通をあえて開拓者としてトライする企業を取り上げていきます。

今回の企業は、よそでは買えない動物の肉を取り扱う「ミートガイ」。

・馬肉はそれほど珍しくなかったのですが、言うだけあって流石!「ワニ、カンガルー、ラクダ、ダチョウ、ウサギ、まであります」とのことです。

・確かにBBQに持っていったら盛り上がる事間違いない。

・在庫するリスク、賞味期限が短い食品であることは、この手のアイテムを取り扱うガッツと楽しみ方がないと事業を続けていけないはずです。

・ワニの手羽先を食べたくはないけど、サイトを紹介することで、こうした面白い会社を盛り上げられるのかなって思いました。

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