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食品流通

食品流通の問題点を提起します。大きな問題は2つ【解説します】

投稿日:2020年10月23日 更新日:

食品流通での問題とはなんだろう?一見滞りなく流れているように感じるけど、将来的に行き詰るような問題を抱えているのか知りたい。

こういった疑問に答えます。

もくじ

1. 食品流通の問題は二つ、物流と鮮度です。

2. 食品流通に問題があるとしても、海外の事情より数段マシです。

3. 【シリーズ  トライする食品流通】   ”食品の無駄をなくす試みで頑張る企業”

この記事を書いている私は、当時売り上げ規模一兆円を超える食品流通商社に13年間勤めていました。冷凍食品営業職と常温加工食品物流管理(バイヤー兼)で在庫金額2億円の倉庫を管理しており、食品流通に関しては一通りの業務を経験してきました。

経験を活かし、興味がある皆さんに食品流通の問題点を提起します。

1. 食品流通の問題は二つ、物流と鮮度です。

多くの問題が散見されるにつけ、今も昔も大きな問題となっているのが「物流」と「鮮度」です。

結論から言えば、配送に携わる者の立場に立って考えられた物流でないということです。その結果が、「配送従事者の不足」や「配送業の3K(キツイ、汚い、危険)化」という問題になっています。

①物流

・「食品業界の物流は遅れている」といわれていますが、昨日今日、言われ始めたことではなく、これは昔から言われていることです。

・おそらくスーパーマーケットが小売業の中枢を担ってきたころから仕入れ、販売が寡占集中するようになり、それに伴って物流も集中するようになりました、そこに問題が生じ始めます。

・「トラックで運ぶ」まではどこでも行うようになりましたし、どこも同じように見えます。

・ただ、生鮮三品(肉、魚、野菜)と加工食品の違い、また出荷地の加工度(荷重に耐えられる段ボールの使用状況等)やそれを運ぶためのマテハン(パレットやフォークリフト等の搬送機器)の発達状況などにより配送形態が異なるはずなのに、物流のことまでは想定しないで「ただ、運んでくればいい」的な状態がずっと続いてきました。

小売り業態の大規模化により、その発言力が大きくなり、配送料金に対しても間接的な影響力を行使することになります。「仕入れを安くすることで利益を最大化する」といった単純な理論が、運送業の存続を圧迫するまでになってきました。

・流通の神様なるコンサルタント業が登場し、「仕入れを安く・・・・」をコンセプトの中心として破格のコンサルタント料金を取っている事情も拍車をかけていきました。

・仕入れ値の競争と、店舗での価格の競争による利益の圧迫を解決する手段として、物量(大量販売)による帳尻合わせを行った結果、配送において単価が安くなり、業務量をカバーする為、長時間労働が当たり前となりました。

鮮度

結論から言えば、「食品だから当然腐る」、その根本をないがしろにしてきたことが鮮度管理に対しても問題を増幅していきました。

・この件で一番の問題は「食品の大量投棄」の問題です。販売額を競うごとく、大量販売、大量消費が加速していきました。日本人の素晴らしさでもありますが品質が均一且つ高品質な製品の大量生産を可能にし、限界点まで価格競争に参入していった結果、その大量消費無しには採算が採れないマーケットを形成していってしまいました。安くしても売れない「胃袋の数の限界」を超えて生産を続けた結果、賞味期限を過ぎる大量の食品販売ロスを抱えることになります。それは、価格競争が推し進めていった結果といえます。

・もともと日本の食品流通は生鮮3品の流通を念頭に組み立てを行い、そこから特異な装置を必要とする冷凍・チルド食品、重量があり単価が低い飲料等に意識を向けていくことが重要となるはずでした。

・価格競争が横行していく中、「市場」で価格決定が行われる「生鮮3品」より、メーカーを叩いて価格を安く販売できる加工食品で、「特売」を打ちました。

価格の低下と、大量販売により、競合他社に勝るという戦法が採られてきました。

・これは、適正な流通価格(流通コスト)を無視するばかりか、鮮度の低下を招く結果の最大原因となっています。

・賞味期限などは、生鮮3品に比べて加工食品が短いはずがあろうこともないはずなのに、「賞味期限切れ」という食品廃棄ロスは往々にして加工食品で発生する事が多いのはこうしたマーケットメカニズムによるものであるといわざるを得ないのです。

よくある質問 「この二つの問題は、違う原因から派生しているようで、なんだか同じ事が原因であるように見えますが違いますか?」

こういった質問があります。

・まさに、この問題は同じ原因から、もしくは、相互に関連する事柄から2つの問題を生じさせているとしか思えないのです。食品流通に携わり27年間を過ごしてきて感じます。

・そして、この問題は私が食品流通に関わるようになって少なくても27年間は解決しないで来ているということです。

・テレビ・新聞などマスコミについては「批評すれども解決せず」の立場で来ましたし、流通コンサルについては的外れな持論を展開し、思わぬ方向に流通業全般を引き連れてきてしまいました。

経産省や農林水産省も問題を議論する立場にはありましたが、ここをどうやって解決するかといった方針を決め、現場に入って指導するといった事には全く行動が伴っていません。

・現場を知るものとして、ここをこう変えてみてはどうか?という意見もありますが、実地検証しながら行うことだと思いますので、机上の空論になりかねない言動はこの場では控えます。

2. 食品流通に問題があるとしても、海外の事情より数段マシです。

結論ですが、フィリピンに約2年居住したことがあり、現地の食品流通を見てきましたので比較考察しますが、はっきり言って日本の食品流通はなかなかいいです、しかしそれは比較しての結果であり国内では批判されても仕方ないレベルだといえますね。

・正直、一頁で食品流通の問題点を述べましたが、日本はフィリピンに比べて、食品流通の点ではマシだと思います。もちろんGDP対比で考えると、経済規模に雲泥の差がありますので、規模に違いがあって当然です。

・ただし、質の面では、やはり日本の食品流通はおそらくフィリピン以外の諸外国とも比較してそこそこのレベルには到達しているのではないかと思います。

・例えば、氷を運ぶ業者がいますが、トラックの荷台から大量の水が漏れています。なぜ水が垂れているのか気になり、店舗の前で荷下ろしをしているトラックの後ろに回り込み中を覗きましたが、冷凍機がついていない為、氷が解けて水になり、傾斜になっている荷室から垂れているのが分かりました。

・冷凍機付きのトラックが高額の為なのか不明でしたが、荷室の内側にはステンレスの薄板が貼ってあるだけで、保冷板(夜のうちに電源につないで冷凍して使う板。配送中は冷却できない)すらも搭載していない状況でした。

・また野菜、特に葉物(レタス、キャベツ等)を産地から消費地に運ぶ運搬車は荷台に葉物野菜を直接に積みます。段ボールに入れることもないので、重みで下の1/3程度は潰れてしまい、消費地に到着する頃にはその1/3は商品として店頭に並ばないことが多いそうです。

・まして、葉物はほとんどの玉が運んでいる際の傷みが激しいらしく店頭に並べられるきれいな商品になるまで葉を落とすことになり、販売される玉が小さくなってしまっていました。

・氷も、野菜も、歩留まり(ここでは労働対効果)が悪い状況がずっと続いています。

・生産物を「商品価値」が高いまま産地から流通によって運搬するという概念が育たない為です。

・これは、フィリピンにおける労働日当が低いせいもあります。20年間、労賃が上がっていない特殊な労働環境があります。富裕層である雇用側や、公務員などの搾取が激しい為といわれています。

労働賃金が上がらない世界では生産性の向上やレベルのアップは望めないという典型を学びました。

・ここでも、様々解決手段のアイデアはありますが、上で述べた通り検証には実地が伴わないといけない事、まして外国の事なので、ここでの言動は差し控えます。

 1. と 2. で提起した問題は少なくても2昔前(20年前)からずっと続く問題であり、解決されていないということで考えると、食品流通業に携わるみんなが解決することに何らメリットを見いださないでここまで来たということです。体を壊したり、食品流通から離れたり、最悪は事故で亡くなってしまう方がいたりと、問題は解決すべきでしたが、未だ、大金を投入して対策する方向に資本家の意識が向かわないということです。食品流通を改革し、社会の為に貢献し、紫綬褒章を頂戴された人がいたことを深く胸に刻み、自らの生き方として解決の糸口を何時か つかもうと画策しています。

3.【シリーズ  トライする食品流通】”食品の無駄をなくす試みで頑張る企業”

今回も、以前取り上げた食品ロスの削減に取り組む東京ガス株式会社のご紹介をします。食品ロスに取り組む企業にスポットを当てます。

フードロス削減 junijuni sponsored by TOKYO GAS


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