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食品流通

食品流通は安定しますが、戦略が必要です。【解説します】(1/2)

投稿日:2020年10月14日 更新日:

食品流通会社ってどんな会社を指していうんだろう?安定的な会社だといわれるけど具体的な会社が思い浮かばないので、教えてください。

こういった疑問に答えます。

もくじ

1. 食品流通会社は安定していますが、更なる安定性を重視するなら、企業が行っている事業形態に注目します

2. オススメする、就職すべき食品流通会社は“Strategy”戦略 をもっている会社です【解説します】

この記事を書いている私は、当時売り上げ規模一兆円を超える食品流通の商社に13年間勤めていました。冷凍食品営業職と常温加工食品物流管理(バイヤー兼)で在庫金額2億円の倉庫を管理しており、食品流通に関しては一通りの業務を経験してきました。

経験を活かし、興味がある皆さんに食品流通について解説します。

1. 食品流通会社は安定していますが、更なる安定性を重視するなら、企業が行っている事業形態に注目します。

結論から。今年のコロナ禍で、スーパーと外食(レストラン)とで売り上げに圧倒的な差が出ました。ここを教訓にして就職先を考えていくことも大事です。

・食品流通の先にある消費者への河口(流れ行きつく先)は、スーパーや、外食(レストラン事業)ですが、食品流通会社としてどちらの業態も顧客に持つことがどれほどの強味になるかということが今回のコロナ禍の影響で分かりました。

・外食産業(レストラン事業)、特にお酒を販売する居酒屋業態が顕著に、都市封鎖や自粛に対して弱いということを大多数の国民が知るきっかけの年になりました。

・反対に、家庭内で食事の機会を取り戻した為、食事の材料を買い求める消費者の買い物金額が大きくなったのも事実ですし、小売店(スーパーマーケット等)の売り上げは大幅に前年をクリアーしていきます。

・明暗を分けた2つの業態ですが、「食」という点で考えたらそれほど大きな違いがあるわけではないので、販売チャネルの違いはとても大切だなというところです。

・反面、食品流通業では、この両者に食材を販売していくための事業形態は、大きな違いを必要とするわけではありません。

・卸売業やその物流を支える運送業にとって両者を相手に事業を行っていくのはそんなに難しい手法の違いではないので、両者との取り組みを行っている供給側は、よくある事ですし、片方だけを顧客にしているより安定しているといえます。

・メーカー製造業を川上、消費者という大海原に間近に接している小売業や外食産業を川下と流通業では例えて話をすることがありますが、川上から川下まで、食材を提供しているという点からすると、川上のメーカーももちろん市販用(対消費者販売)、業務用(レストラン提供)に関わらず製造していることがあります。

・市販用食材を提供するメーカーも、流通を形成する卸売も小売りも、どちらかを行っていれば、どちらかも参画しやすいとも言えます。

・食品流通会社に就職を希望している学生さんは、この点も考慮に入れたうえで就職を考えていかれたらと思います。

体験談: 私が就職していた企業は、どちらの業態とも取り組みがあります。

かつて勤めていた会社が食品卸、年間売り上げが1兆円(今では2兆円)の企業でした。

・私は市販用の部門にいましたが、冷凍食品を扱う営業部に在職していたため、同部署には居酒屋、スーパーの総菜部門、そして業務用食材専用問屋がクライアントの外食事業の課もありました。外食(特に、居酒屋店等)への食材供給は拡大していきました。

・残念ながら、その会社を退職することにはなりましたが、今では会社全体の売り上げは在籍していた頃の二倍弱になっています。大きな要因は酒類の販売卸を体内化したことです。

・その企業内では外食事業は本社事業部規模でしたが、それぞれ売り上げが大きくなっていくと子会社として分社化していったことが分かりました。

・外食部門の食材供給部門は、ついに今では子会社の一つに名を連ねているようです。

2. オススメする、就職すべき食品流通会社は“Strategy”戦略 をもっている会社です【解説します】

結論、Strategy(ストラテジー)がある企業は、ない企業と比べて圧倒的に勝ち組です。戦略は、食品流通業にとって勝ち残る方法論でもあります。

・食品流通業は営業利益が小売り業で5%程度、卸売で1%に満たない業態です。売り上げで何兆円もあるのに、利益は何百億とか、何十億でしかない業種です。

・当然、何かしら業績に大きなダメージを与える事故が生じた場合、とても資金的に苦しい状況になっていきます。ミスが致命傷となるため、膨大な量の作業には正確性が求められ、量をこなす作業効率が求められます。

・事業ボリュームは大きく多岐に渡るので、企業に戦略がないと、日々の作業に忙殺されていくようになります。コストも垂れ流しになります。毎日毎日繰り返される業務の量と数がとても大きな業態なので、その作業をシステムなどで補い、機械に任せられるところは人間がなるべく入らない形で処理していくことで圧倒的なボリュームが少なくなります。

・それを戦略としてモテてない企業は、作業に精度も出ずに、負のスパイラル(どんどん落ちていく螺旋階段)にはまっていきます。

よくある質問:「食品流通会社って、システム化といっても、どこをどうやってシステム化するのですか?食品を運ぶ点で、機械にさせるのですか?AIの自動運転とかでトラックを使うとかですか?」

こういった質問があるかと思います。

・食品流通こそ、IT化が重要なカギを握ります。もうすでにITという言葉ができる前にIT技術が存在した業界でした。

・小売業の商品注文はオンラインデータを使って送ります。今でこそ個人のネットショッピングも「オンライン」となっていますが、ひと昔前まで、電話でオペレーターに注文をしていましたね。そんな時代にも当たり前にオンライン発注でした。

・コンビニ、スーパーなどの売り場の前で画面端末を持って作業をしている担当者を見かけたことがあると思いますが、あれは、端末に向かって発注作業をしています。                                  

(つづく)

                                                                         

(今回の「よくある質問」は次回の記事にこの続きを上げさせていただきます。食品流通の「キモ」なので、ぜひ解説を続けていきたいと思います。)

                                                                                                             

【関連記事】食品流通企業に就職を希望する皆さんへ

私の就職した食品流通会社は東証一部上場企業です。ボンクラな私は東証一部上場企業への入社などできるはずもなかったのですが、なぜか、社会人二年目にはその会社の社員として働いていました・・・・。

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